2012年5月10日木曜日

モト


試作をくり返し、ようやく販売できるようになった『芋けんぴのモト』。

今日はこれは一体どういうものなのか?ということと、販売を休んで、開発に取り組んでいた間に感じたことなどを記録として書いてみたいと思います。


—材料は?
おからとえごまの2種類がありますが、生地の部分の材料はほとんど同じで、主におからと小麦粉と砂糖と豆乳と米油です。
近所に林豆腐店さんという40年おいしい豆腐を作り続ける豆腐屋さんがあって、そこのおからは今の機械じゃ作れないというきめの細かいさらさらしたおからが自慢ということを知って、ぜひ使いたい!と思い「おから」がベースとなっています。
林豆腐店外観
結果、食感はガリッと噛んだ後に粉っぽさが残ることなく、豆乳のうまみを感じながらもすっきりとした食べごたえになりました。
やはり食感や形からついつい食べる手が止まらなくなるのですが、芋けんぴとはまた違う感覚が味わえると思います。

ただし、すこーし堅いので奥歯で噛むことをおすすめします。笑

えごまはおから単体とは違い、甘さよりえごまの香ばしさと塩気でビスケットのような味わい。
なぜえごま?ということについてはまた後日。


—なんでモトなの?
『芋けんぴのモト』という名前は、芋けんぴの名前の由来、モトとなった「ケンピ」から発想をしたことがひとつ。

そしてもうひとつが、一番大事にしている「芋けんぴ」の可能性を広げるため、芋けんぴだけを作っていては見えないかもしれない視点や技術を身につけたり、新しい人との出会いのモトになればなあ、という想いから名付けました。


—開発中のお話

3月の始めから2ヶ月と少し。

大変さを強調したいわけじゃないのですが、不安と失敗、そして自分の弱さを見せつけられる日々でした。
そもそも芋けんぴを作れるようになるのに5年かかりました。
一から始めてすぐにとは言わないまでも完成させられるのか、すこし休みがほしいという思いがあったのも事実です。芋けんぴを待ってくれている方がいるにもかかわらず、その期待に応えられているのか恐くなった部分もありました。
そして小麦粉を使った焼き菓子は、すでに多くの方が先人として掘り下げられている世界。
そんな中で、はたしてお金をいただけるものが作れるのだろうか。

今にして思えば、かなり気負いすぎていたと思うのですが、そんな不安を抱えながらの毎日。

当然失敗ばかり、わからないことばかり。うまくいったと思ったら袋小路にはまったり。

それでも、道なき道を往くかっこいい先輩方に励ましや刺激をいただいたり、
やさしくおもしろい方たちに囲まれたりしながら、
失敗をくり返しながらも、少しずつ感覚がつかめるようになり変化を続けました。

失敗は成功のもと。

って言葉では聞いたことがあるけど、ようやく自分の中にストンと落ちて「わかった」と言えるようになったのかもしれません。

あと、ある人からいただいた

やりすぎまでやるから、コントロールできるようになる。

という言葉も、すごく腑に落ちる言葉でした。


そんなこんなでここまできた『芋けんぴのモト』。
まだまだ試行錯誤を続けていきたいし、よろこんでもらえる新しい味の開発もしようと考えているので、これからもよろしくお願いします!


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