2013年6月17日月曜日

高山散策




















今日は「飛騨の小京都」と呼ばれる高山を散策しました。
古い町並みが保全されていたり、川沿いの景色が京都っぽさを感じます。

まずはその川の近くで開催されている宮川朝市へ。
毎日やってる朝市っていいですね。
赤かぶの漬物、飛騨牛の串焼き、みたらし団子、穀煎、一位一刀彫など名産品の数々が売られていました。

そして上の写真の吉島家住宅へ。
ここはいいよ。と教えていただいた場所だったのですが、ほんとによかった!
明治時代に建てられた町屋建築なのですが、ただ古いだけじゃなくて、美意識を持って隅々まで工夫を凝らされた様子が伝わりました。
造り酒屋を営んでいたからでしょうか、一階は大きな吹き抜けの空間になっていて、高窓から差した光が梁を照らしています。
日本家屋の緊張感のある美しさを感じました。

その後は古い町並みをぶらぶらと。
観光の中心である上三之町は人が多すぎてちょっと苦手。
それよりも桜山八幡宮の近く、「木之下」さんというお店でいただいた『あぶらえ(荏胡麻)の五平餅』がすんごくおいしかった!
注文してから焼いてくれて、自家製のあぶらえのタレは甘すぎず辛すぎずの絶妙な味わい。こっちに来てから一番沁みた味でした。

『あぶらえの五平餅』は売ってるお店が減ってるようで残念。
味噌だれと違って焼き置きできないし、「擦るのが大変だからね〜。ミキサーでやれば楽だけど手で擦る方がおいしいから。」とお店の方もおっしゃっていました。
そういうものが長く残ってほしいですよね。

最後に飛騨牛と高山ラーメン以外のお店を探していて見つけた「おがわ」さん。
メニューは『味めし定食600円』のみ、カウンターだけのお店です。
気さくなおじさんと常連さんが多い和やかな空気のお店で、味めし(いわゆる炊き込みご飯)も大盛りにしてくれて、みそ汁も卵焼きも小鉢もやさしい家庭の味でうまかった。


なんなのでしょうね。
観光地の観光客を相手に商売してますって感じが苦手です。
『観光』って光の当たるところだけを観るってことなんでしょうか。
影があったり、内側だったり、奥行きだったり。そのままが観える方がいいな。

観光について考える、そんな一日でした。

2013年6月12日水曜日

ちいさなサイズ感





















『三谷龍二の10センチ』を読み終えました。

三谷龍二さんは木工デザイナー。
「10㎝」は長野県松本市にできた、ご自身の作品を常設展示したり、他の作家さんの個展やイベントを行うギャラリースペースです。


僕は本や雑誌で何度かお名前を拝見したことはありましたが、昨年松屋銀座で開催された「銀座目利き百貨街2」で小泉誠さんとのトークショーをされていて、お話しを聞く機会がありました。

その中で三谷さんが、古民家をそのまま利用したようなカフェが多いがそれはどうだろう?という旨のことをおっしゃられて、そのお話しにドキッとしてすごく記憶に残りました。

その時三谷さんは、(うろ覚えだけど、)いいものは残す。でも自分の感覚でこっちの方がいいと思えば変える。と言って窓のサイズを大きくしたか、位置を高くしたか、の話をされていました。

それを聞いて、ご自身のこっちの方がいいという美意識やセンスをしっかり持った方だなあ。すごい人だ…とすっかり感心してしまいました。



それから今に至り、それ以来美意識やセンスを意識するようになりましたが、まだ自分の感覚はよくわからず。
しかしひょんなことに、今いる奥飛騨温泉郷平湯は松本に近いことに気付きました。

松本にある「10㎝」。とっても気になる。

ということでこの本を購入しました。(インターネットでどこでも本が買える時代だしね)




すごくよくわかる感覚、というとえらそうかもしれませんが、銀座でお話しを聞いたこともあってか、すらすらと楽しく一気に読めました。
10㎝ができるまでや、そこで開催した展示会を含めて、『10人くらいでいっぱいになるようなちいさなお店が大好き』という三谷さんが、心地よいと思えるサイズ感を感じることができました。
特にほぼ日でも連載されていた「10㎝日記」の10月19日の日記は、現場に実際に机と椅子を持ち込んで自分の感覚で確かめた、という印象的な話でした。


三谷龍二さんの心地よさが詰まった10㎝。
実際に目にできる日が愉しみです。




2013年6月2日日曜日

大ネズコ

























樹齢約1000年。

静かな山のなかに佇むこの木から、人の世はどんな風に見えてるんだろう。



ちいさなことにもがき苦しむ人間だけど、ただそこに在り続けるおじいちゃんの木に元気をもらった。