2013年7月3日水曜日

漬け物大全












『漬け物大全(平凡社新書) 小泉武夫著』を読み終えました。

漬け物に興味を持ったのは、前に『おばあちゃんの台所修行』を読んでから。
昔の人の暮らしの知恵っていいなと思ったのと、今のバイト先で結構な数の漬け物を取り扱ってて、漬け物おもしろいかも、という勘が働いたからです。

その勘は見事に当たりました。

漬け物はやっぱりおもしろい。



その土地にあるものを漬ける。

葉菜、根菜の野菜から、果実、そして肉や魚まで。
漬け床も塩、醤油、味噌、麹、米糠、酒粕、酢、味醂などなど。

それは冷蔵庫等もない時代、保存性を高めたり、必要な栄養を摂るための暮らしの知恵ではあるけども、それだけじゃない。
手間のかかるいろんな方法で漬け物が作られているのは、それがおいしくて人に喜んでもらえるから。
作るのがたのしみのひとつだったんじゃないかと思うのです。
そういうものがその土地の文化となり、伝わっていくんではないでしょうか。


いやほんと、漬け物おいしいですよね。

僕も思い返すと子どもの頃、親が酒の肴に買ってきた「わさびの葉の醤油漬け」がおいしくて忘れられない味になってたり。
今まで意識していなかったけど、つぼ漬け、奈良漬け、柴漬けなど、ごはんのお供に漬け物があれば進んで食べてて、ごはんと漬け物の組み合わせっていうのは自分の味覚の根っこの部分にあるものなのかもしれません。



その土地の文化を色濃く残すものとして、観光地のお土産コーナーには今でも多くの漬け物が売られています。
この本によると、”伝統食品の多くがここ数年その消費量を減少させているのに、漬け物は毎年増加の一途をたどっている”そうです。
しかし流通や販売を考慮して工業製品的に作られた漬け物の多くは、よくわからない保存料、食べやすさを求める添加物が加えられています。
そういったものは次の世代に伝えられる食の文化にはなりえないと思うのです。



最近僕の周りでは、先人たちが残してくれた、暮らしをたのしむ手仕事の大切さが見直されてきているように感じます。

暮らしの知恵を受け継ぐっていうと身構えてしまうけど、もっと気楽に取り入れてみていいんじゃないかな。おもしろいんだから。

0 件のコメント: