エスプレッソと茶道の精神を融合させた珈琲と空間が味わえるカフェです。
今年6年目にしてtocoro cafeオリジナルの珈琲豆『TOCORO BLEND COFFEE』が発売されました。
これは春、夏、秋、冬、それぞれをイメージした味になっていて、おいしいお菓子と組み合わせながら、自分の家で淹れる珈琲で季節感を感じることができます。
焙煎は、「ねじまき雲」さん。
同じ意志を持ち合い、長い時間をかけて信頼と試行錯誤をくり返す。
この組み合わせがあってこそ生まれたのが『TOCORO BLEND COFFEE』なのです。
15日から秋の味「AUTUMN」が発売されます。
秋の味覚、芋や栗をイメージさせるスッとした酸味と甘みの余韻。
この秋味珈琲の初回予約分に、「flip-flopと」として初めて芋けんぴを出すことになりました!
昨日受け渡しも完了し、あとは予約してくださった方の手元に届くのを楽しみに待っています。
ここまで来るの長かったなあ。
tocoro cafeさんに出会って4年目。
それはちょうど芋けんぴを作り始めた頃とも重なっていて、初めて訪れた日のことを今でも鮮明に覚えています。
あれは2007年の2月。
1月に東京に出てきておにぎり屋に勤め始めて、まだその毎日に馴染んでない頃でした。
tocoro cafeの存在は、内装を手がけた小泉誠さんの関係で知っていて、ふと場所を調べてみると、通い始めた職場の途中にあることに気付きました。
遠い存在だったものが、突然目の前にあった。
こんな偶然がすべてのはじまりだったのかもしれません。
ある日の仕事が終わった帰りに、お店に足を踏み入れました。
先客に女性が一人いて、両手で器を包み込み、きれいな姿勢でおいしそうに『泡ラテ』を飲んでいました。
僕は恐る恐る『トコラテ』と『チーズケーキ』を注文。
待っている間の静けさと、店主の上村さんの端正な所作。
背筋が伸びるような緊張感だけど、なぜか心地よい。
ほのかな照明と上村さんの人柄があたたかい空間を作り出し、初めての場所なのに話が弾みました。
先にいた女性があまりにもおいしそうに『泡ラテ』を飲むので、「次は僕も泡ラテを」と言って店を後にしました。
店を出てしばらくは、「なんだこれは!」という衝撃と、あたたかで幸せな余韻のなかで「僕にもこんな気持ちを味わえるんだ。本の中だけだと思ってた。」という想いを感じていました。
後日この言葉にできない衝撃を、素敵な文章に置き換えた本に出会いました。
これもtocoro cafeさんがつなげてくれた本で、川口葉子さんの『カフェの扉を開ける100の理由』。その本の1章に「カフェに天使が舞い降りるとき」という一節があります。
ちょっとだけ抜き出して、
働いてる人々がその場所を好きで、働くのを楽しんでいること。座っている人々がその場所を好きで、自由に楽しんでいること。「いまここにいることが嬉しい」という幸福な相思相愛が生まれている場所に、カフェの天使はふわりと舞いおりる。
それから幾度となく僕の前に天使が舞いおりてくれて、次に進む力をくれました。
芋けんぴの制作もそうやって、一歩ずつ。
上村さんに試食をしていただいたりもして、三歩進んで二歩戻る。
ずいぶんゆったりとした足取りだったけど、ようやくここまで来れました。
上村さん、おいしいケーキを作ってくれる直子さん、出会った方々、予約していただいた方、みなさんありがとう。
これからもよろしく!
0 件のコメント:
コメントを投稿